ハミ出し商社マンの徒然草

思ったことをツブやきます

商社は今後も就職先として有望?はい、でもキャリアの「出口戦略(メルカリ戦略)」を考えましょう

総合商社は20歳位の学生さんに就職先として、薦められるかどうか?

について書いてみようと思う。

 

まず結論から言うと、“出口戦略あり、という条件付きで薦めます“

ヤタローが考える懸念点を挙げて、それを克服するために気をつける事、という論理構成にします。

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①懸念点、その1:動きの遅い組織の将来性

総合商社の一般的な将来性については「だんだん活躍できるフィールドは減っていく」と思います。これは総合商社のみならず日本の大企業全般に言える事ですが、図体大きいので決定が遅く、コンプライアンスが煩わしすぎて小回り効きません。(有名税ですが。)それでも規模による参入障壁(個人で石油開発とか、あまり現実的ではない。堀江貴文さんみたいにロケット打ち上げてる人もいますけど)、これまで培ってきた取引先との信頼関係やネットワークで10年くらい(←以外と長持ちします)は持つと思いますが、これらもクラウドファンディング(←資金調達が容易になる)、SNSブロックチェーンなどの新技術(←信頼関係やネットワークの創造が容易になる)で優位性は保てないでしょう。銀行やマスコミが既に競争力を失っていることと原理としては同じです。

 

②懸念点、その2:専門バカ

個人のキャリア形成についても分業が進みすぎていて、1人でマーケットに出すと、ほとんどです使い物ならない「専門バカ」になるケースがほとんどです。料理に例えると、フランス料理で「ひたすら肉を切りまくる達人になる」イメージでしょうか?(これでは役に立ちません。)

「肉を切る人」ではなくて「料理を作る人」になるために、つぎはコンソメスープを作って、サラダを作って、デザートも作りたい、と考えていても「会社のため」という大義名分のもと個人のキャリアは二の次以下におしやられます。

一方で、中途半端に待遇が良いのでなかなか他のキャリアに踏み出す決心もつかず、ズルズルと歳を重ねてバランスの取れたキャリアが作れないケースが多いように思います。(次回も込めて)。
なおキャリアの一つである「社内の出世」も属人的、かつ運の要素が強すぎます。

 

③懸念点、その3:高コスト体質

社員の一般的な給料が高く、一方で大企業ゆえの生産性の低さがあり、高コスト体質が根深く残っています。今のところ、過去の遺産を食いつぶすことと、たまに当たる大きな投資で体制を維持していますが、どこかで1つ大きな失敗を起こせば、これが崩壊する可能性を十分秘めています。個人的には、この事業の分かり難さが株式市場での評価の低さに繋がっている一方で、この分かり難さゆえに新規参入もしづらいのだろうと見ています。

 

それでも条件付きでお勧めする理由は以下の通りです。

 

日本企業の中では相対的に競争に晒されており、国際的なビジネスに関わっていることから、グローバルなビジネスセンスを身に付けると言う意味で経験を買う事は意義あるでしょう。

 

その一方で常に自分の「市場価値」を意識し、副業、複業、転職、独立起業などを意識しエクスパーティーズを高めて、会社に依存しない生き方を目指していくことを強く推奨します。

いまの20歳くらいの方はモノを買うときに「メルカリで最後はいくらで売れるのか?」を考えて購買する、と聞いたことがあります。

キャリアも同様に「出口戦略」を意識して、できればしっかり市場の評価に晒される仕事(本業であれば管理部門ではなく営業、複業ではネット環境で市場と直接対話できるもの)につくこと。

そして、その「出口戦略」が様々な環境の変化により刻々と見直す必要がでてきますので、その変化に柔軟、的確、迅速に適応することが肝要です。

 

さらに待遇の良さを逆手にとって、潤沢な円キャッシュを産む会社勤めを継続しながら、自己投資、金融投資、でリスク分担を図りながら人生設計をしてみることは一つの有力な選択肢でしょう。(商社に入って満足してはいけません。)

そして、その業態としてESGを意識した足の長い投資をすることが業界としての生き残りに必須となってくるので、ここに興味のある方には特にオススメします。

 

最後に纏めておきます。

 

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